あなたの担当思春期女子はパンツを脱ぎますか?〜男性看護師は若い女性患者を受け持つのか〜
刺激的なタイトルでお送りします
今回のテーマはズバリ「男性看護師は若い女性患者を担当するの?」
男で看護師してるとこの手の質問は本当によくされますね
特に看護師とは関係ない一般男性が気になる話題だと思います
今回はそうした気になるテーマを僕の経験からシェアしましょう。
男性看護師は若い女性患者を担当できるのか
一般的な結論から言うと、担当できないことのほうが多いみたいです
この記事を書くにあたって、ネットやブログで似たようなテーマを調べてみましたが、男性看護師は若い女性患者を担当しないというものが多かったでした。
しかし、僕は決してそうではないと考えます。
男性看護師も若い女性患者を担当します
僕は今まで多くの若い女性患者を担当しましたし、男性だという理由でプライマリを断られたことはないです。
もちろん、患者に合わせた配慮は必要です
僕の若い女性患者への看護の実際
- 配属病棟
僕は新人の頃から今までずっと神経内科病棟に勤めています
特定疾患、難病をも扱うところ
そして患者の20%を思春期の女の子が占めているというのも特徴のある病棟です
その子たちは一時期話題になった子宮頸癌ワクチンによる副作用で疾患にかかってしまった患者です
そんな病棟のために、ここに今まで男性看護師が配属されることがなかったそうです
3年たったいまもこの病棟で男性看護師は僕ひとり
なんで配属されたんだー?
というと、もともと小児科希望だった僕を、大学の教授が「新人の間は成人期看護から力をつけなさい、でも君にぴったりな病棟があるよ」
と推薦書をかいてくれたのが決め手でした
若い女性患者を担当するまでの道
配属されたはいいもののやはり新人看護師というわけで
初めのうちは若い女性患者どうのこうのというよりは仕事についていくのがやっとの状況
本当に大変で泣きそうな毎日
そんな中でも思春期の女の子の患者とは関わりを持ちました
指導看護師と一緒に検温や簡単なケア、検査の手助けなどなど
なんだなんだ意外と、、、
と思ったのもつかの間で
それ以外のケア、たとえば清拭、入浴、排泄など、肌や陰部の露出を伴うケアに関しては、僕は参加させてくれませんでした。
指導看護師「着替えをするから君は外で待っててねえ(^ ^)」
といった具合
新人でまだまだ自信のない僕でしたから、実はこれはこれで助かってましたね
でも、やはり僕は看護師
大学まで通い苦労して手にした国家資格
看護の対象は子供から高齢者すべての「人」である
僕が男であるがために看護できない人がいるのは悲しい
そう思った僕は作戦をたてました
それはまず患者との信頼関係を築くこと
これは僕が一番大切にしている看護観です
患者側の視点を常に持ち、その人自身に寄り添う看護をする
そう決心した僕は検温や簡単なケア中の少しの時間でもいいから患者とお話しをするようにしました
病棟でたったひとりの若い新人男性看護師ということで皆さん興味を持ってくれて
思春期女子の患者の子たちとも打ち解けるのには苦労しなかったです
大学時代、まわり女子しかいない環境で培った「女子とのコミュスキル」が役に立ちました
そんな僕をみて指導看護師も「できたらあの子達(思春期の女の子の患者たち)のケアにも参加していこうね。これから看護師として生きるためには必要な技術、経験になるはずだから。」といってくれました。
若い女性患者のケアをするにあたって味方になってくれる看護師がいることはとても重要だと思います
男性看護師が若い女性患者を担当しない理由に周りの看護師の目もあるらしいですから
思春期女子患者への初めての看護ケア
それは突然でした
まだ入職後1カ月ほどのころ
ある女の子の患者16歳の子からのナースコールで訪室したときのことでした
女の子「あ、僕さん、ここのガーゼとって欲しい、気持ち悪くて眠れないよ。」
と鼠径部を指差して言いました
IAPP血液吸着療法のために鼠径部から針を刺入したところに止血用のガーゼが止めてあるとのこと
他の患者でも経験があったので手技はわかる
もう時間たってるから止血はしているだろう、ガーゼを取ったら止血確認と皮膚状態の観察、テープ跡や消毒液の跡が残らないよう部分的な清拭が必要だ
なんて指導看護師から教わったことを頭の中でつぶやきながら
んー、でも場所的に陰部に近くズボンはおろかパンツをギリギリまで下げる必要があるなあ
さすがに僕じゃ嫌だろな
僕「わかった、他の看護師さん呼んでくるね」
と振り返ろうとした背中に
女の子「えっ、僕さんで大丈夫だよ。」
と自分でズボンとパンツを膝上までおろしてました。
僕はすかさず近くにあったタオルをかけててあげて、カーテンをしめて
僕「準備するから1分待っててね」といい病室を後に
清拭タオルを準備しつつピッチで指導看護師に事情説明
指導看護師「他の人で経験があるから私いなくて大丈夫だよね。ひとりでしていいよ。しっかり観察して後でちゃんと記録するように」と
実際ケアしてみるといろんなことを知りました。
皮膚の状態も大人とは違いますし、女の子自身からもいろいろ教えてもらいながら実施しました
何度もやってるけど、部分麻酔するから痛くないけどやっぱり怖いということ
簡単なケアなのですぐに終わって
女の子「タオルで隠しながらする人初めてだった。女の人同士だったとしてもみられるの恥ずかしいからね。ありがと」
ありがとうといわれるとやっぱり嬉しい
機嫌よく記録に入った僕の背中から
指導看護師「女の子ちゃんから聞いたよ。うまくできたみたいだね〜。一応確認したけどテープ跡もなかったし」
さすが指導者しっかり確認してるし
この経験は僕にとって、男性看護師としても大きな一歩になったと思っています
このことが広まるのも秒でした
さすが女の子たち、話も次の日には全員回ってたし、看護師たちも情報が届いてました
そして看護師間でも、僕に若い女性患者のケアに参加させて大丈夫でしょうということになって
他のケアにもどんどん参加できるようになりました
入浴から、清拭、排泄などなどすべてケアにひとりでも任せるるようになって自身もついていきました
僕は細身ですが力はそれなりにあって
入浴の時なんか、いつも湯船につかれない子でも、他の看護師と協力しながら抱き上げて一緒に入ります。そのときの僕は水着にTシャツです
だから僕が入浴担当の日は予約が埋まりますね
超大変です
今後若い女性患者へのケアのポイントもまとめたいと思います
男性だからこそできること、気遣いも多くあると思います
まとめ
僕の経験からいうと
男性看護師も若い女性患者の看護はできますしするべきです
もちろん、配慮は必要です
だって自分が思春期の女の子だと思ってみてください
誰ともわからない男の人に
いくら看護師といえども恥ずかしいところはみられたくないはず
いくら信頼関係が築けてもデリケートな部分のケアは断られることもあります
でもそれはあたりまえ
他の部分で関われることも多いはず
だから僕は男性看護師だからと最初から女性患者のケアに参加しないとはしないでほしい
今や男性看護師は珍しい存在ではありません
自分は男だからとか関係なく、人として看護師としてすべての患者に看護を届ける
僕はそう思います